美味しいごはん、または、メグちゃんのこと

3月12日のこと

仕事後に友人と夕食デート。

メグちゃんとは共通の知人のイベントで知り合った。
初めて会った時の彼女は、こっくりとした赤の膝下丈のスカートを履いていた。
黄色っぽい店内の照明に照らされたそのスカートを見て「綺麗な色」と思ったことをよく覚えている。
(後ほど店内の照明で赤く見えただけで、黄色いスカートだったことが判明)

長くて柔らかそうな黒髪を頭のてっぺんで高くお団子に結い上げた彼女は人なつこい表情で喋り、
海外のストリートスナップのから抜け出してきた少女のような印象だった。

素敵だな、と思った。
どこが、とか、何が、と尋ねられてもうまく答えられないが、
少し言葉を交わしてすぐに「素敵な人だ」と思った。


その後イベントで何度かお会いしたものの、なかなかじっくり話す機会もないまま1年。
ついに二人でのごはん会を決行。


いつも思うのだが、「この人とは仲良くなれそう」
「この人ともっと喋ってみたい」「もっと知りたい」と思っても、
面識の薄い人と二人だと緊張してしまう質で尚且つ行動力のないわたしは、
特にあてもない口約束を交わしたまま、うやむやにしてしまうことが多い。
そういうのは、よくないことだ、と思う。
何より、勿体ない。

最近は時間のコントロールがきくようになったので、
素敵だなと感じる部分のある人たちと知り合ったり向き合ったりすることに、
もうちょっとエネルギーを費やそう、と思い至ったのだった。


仕事後、曙橋駅で待ち合わせる。

メグちゃんは前髪をポンパドールにまとめていて、
羨ましいほど長い髪を肩に垂らしていて、
やっぱりきれいな赤い色のダウンジャケットを着て、
そのポケットに手を突っ込んだまま
駅前のバス停のベンチにちょこんと腰掛けて待っていてくれた。

久々の再会を喜び合いながら、駅から5分ほどのお店『one』へ。


お店のハウスワイン的なオーガニックワインを飲み、
生牡蠣のジェノバソースがけのうまさに感嘆。

和牛カルパッチョ、牛タンシチューをつつきつつ、お喋り。
大きな口を開けて声を上げて笑っている姿にすら
穏やかさが漂う彼女は、物腰が柔らかで品がよい。
きっとわたしより少しお姉さんなのだとばかり思っていたが、
同い年だと知り、驚く。
品が良いとはいっても、窮屈な感じがまったくなくて、
肩の力がするりと抜けていて、仕草がとにかくキュートなのだ。

素敵だなぁ、と思いながら好きな本のことなどを話す。
女子のお喋り特有の脱線を繰り返して、
仕事のこと、英語のこと、留学のこと、メグさんの旦那サマのこと、
面白い友人のこと、その他オンナ的あれこれについてもお喋り。

楽しい。

仕事と時間とお金のバランスの話や彼女の友人の話を聞きながら、
ほんとうにそうだなぁ、と心から頷いたり、
そういう視点もあったか、とハッとしたりすることも多々。


ひとしきり、飲み、食べ、喋ったあと、
時計を見るとビックリするほど針が進んでいた。
いつだって楽しい時間はあっという間。

デザートに苺のミルフィーユサンドと
ベイクドバナナのチョコがけのようなものを頼み、
コーヒーを飲みながら二人でつつく。

とろとろになったバナナをスプーンで掬って口に運びながら、
もう時間か、もっと話したいのにつまんないなぁ、とちょこっと思う。
名残惜しくて、とうに冷めたコーヒーをちびりちびりと啜る。

ジャケットを羽織って首にマフラーを巻きながら、
今度はメグちゃんのおすすめのお店で一緒にコーヒーを飲む約束をする。
次回のことを想像すると楽しい気持ちがむくむくと沸き上がってきて、
笑顔で「またね」と手を振って別れる。



↑「スィーツを前にご満悦!」の表情ですら穏やかなメグちゃん



ほらね、動いた分だけ収穫がある

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