日々徒然

先日、某友人(友人なんて言ったら図々しいかも知れないけれど、
「友人」と言っても怒ったりしなさそうなその友人のおおらかさに甘えて
友人と書く)に、このブログの更新されないっぷりを指摘された。

イベントの告知とかじゃなくて、
女子的な日々の徒然を楽しみに読んでいる

とのことだったので、更新します、女子的な日々の徒然。
更新っていうか、別の場所での丸裸日記を多少編集して張り付けるだけだけれども。


ということで、
過剰な自分を持て余しつつも、 楽しく飛び回っていた日々、
その細切れのあれこれを備忘録的に記録したもの。

●11月15日

前の会社の仲間に誘われて川上未映子講演会@日大へ。
いつものごとく初動がおくれて大急ぎで自転車を漕ぎ、
着いたぜ日大、と思って自転車を止めた場所は明大であって、
当然そこでは講演会は行われていようはずもなく、どっぷり遅刻。
大急ぎで日大へ。

前の職場で3人で作っていた読書部、
部とはいっても主立った活動は、
仕事のエンジンがかからぬ朝に社内メッセンジャーにて
「いやー、夕べは読みかけの本の先が気になって読み進めてさ、
 気付いたら朝だったんだよねぇ」というようなやりとりを交わしたり、
偶然に3人とも早く仕事を終えられたりした日に誘い合って飲みながら
最終的に本とは全く関係のない話題で盛り上がるという、
25歳男子と30歳女子とわたしという構成の、ただの仲良し3人組。

もともと、じゅんじゅん(25)が川上氏のファンということで
誘われて3人で足を運んでみることにしたのだが、
川上氏に関してはわたしはあのビジュアルがすきなのである。
特におかっぱの頃の風貌がとてもすきで、
あのポスターが本屋の店先などに貼られていると、
ビリッと剥いで持ち帰ってしまおうかしらと思うほどうっとりなのであって、
でも実際に読んだことがあるのは「乳と卵」と
谷川俊太郎目当てで購入したROCKSに寄稿されていた短編一本のみ。

両方とも、女の、女による小説、という印象、
それなのに、女のための小説、という感じはあまりしない、
というのがわたしの感想で、それは多分、
彼女の著作は女子が読むにはあまりにも女の生態が凝縮されていて、
女の厭な部分なんかもあますことなく丁寧に描写という様に
わたしなんかはときどき、くらくらしてパタリと本を閉じて、
一服しないとやっていられないような気分になったりするからなのだと思う。
川上氏ってどんな人なんだろう、と思いながら公演会場へ。

お話は面白い部分半分、普通の部分半分。
一番面白かったのは、村上春樹はエッセイの原稿を
締め切り3ヶ月前に入稿してしまう、という話。
皮肉にも、一番面白かったのは川上氏本人ではなく、
川上氏が語る村上さんの話だった。
川上氏の話の中では、哲学と文学の違いの解釈の話を面白く聴いた。
質疑応答タイムには授業参観日に張り切る子どものごとく手を挙げ、
講演を聞いていて尋ねてみたくなった事柄を尋ねる。

終了後、友人らと合流。
拷問博物館にあると記憶している鉄の処女を見たいと思ったが、
拷問博物館があるのもやはり明大なのであった。
わたしの阿呆。

近くにあった喫茶店で3人でお喋り。
きよちゃん(30)の恋が冷めた瞬間の話で爆笑する。
曰く、
「待ち合わせに遅れるっていうからさ、
 本読んで待ってたのね、わたし。
 で、ごめんね待たせて、みたいな感じで来てさ、
 何読んでたのっていうから、倉橋由美子って答えたら、
 「ああ、だめんず(だめんずウォーカー)の人」って言われてさー、
 それって倉田真由美だし、その前にあたしだめんずウォーカー読まないし!
 「ああ、だめんずの人」っていう言葉に
 「お前がな!」って返してそのまま帰ろうかと思った」とのこと。
爆笑した。

それにしても、人の価値基準は様々であるなぁ、と。
楽しくお喋りして帰宅。


夕方、友人から電話。
鍋の会@明大前へ。
てっつぁん&アヤちゃん宅にて皆で鍋。

ゆるゆる。
送信者 日記用



女子はワインで乾杯。
送信者 日記用



ソファーを陣取ったまま動いてくれない男子。
送信者 日記用

他人の家にいくと、落ち着く場所というのがそれぞれの家にある。
一人掛けのソファーに膝を抱えて座るのが妙に落ち着く家もあれば、
ベランダが落ち着く家もあるし、風呂場が素敵な家もある。
気に入る場所が見つかるとわたしは大概その場所から動かないので、
「なんでずっとそこにいるの」と言われたりして、
自分でも理由がわからずに「なんか、ここ良い。
磁場とかそんな感じのがちょうど良い感じがする」などと
適当なことを返すのだが、それぞれの部屋がそれぞれに持つ、
あの落ち着く場所の共通点は何なのだろうか。
他人の家にお邪魔する度に考えるのだけれども、いまだに正体がつかめない。

てっつぁん&アヤちゃん宅の落ち着く場所は台所のコンロの前、
そこにあった椅子に腰かけて楽しく過ごす。

一服しながらワインなんかを啜りつつ「なんか、ここ落ち着く」と言うと、
「そうよね、台所って落ち着くよね、やっぱ女の城だわ、
 専業主婦なんかだったりしたら尚更なんだろうなぁ」とアヤちゃん。


向こう側でグラスを持つ手がアヤちゃん。
送信者 日記用



そんなアヤちゃんはすっかり花嫁顔で見ているだけでもなんだか幸せな気分。
ぽわんとしたオレンジ色の幸せのオーラが出ている感じ。
そしてその側の椅子に腰掛けたわたしは、
その遠赤外線的オーラを浴びて、じんわりと幸せな気持ちになる。

朝まで続くらしい鍋の会を後にして、終電で渋谷ballへ。

オルガンの上にあるのに今まで一度も足を踏み入れたことはなく、
わたしにとっては初BALL。
前日のCULTUREに行きはぐったので、
kezさんのDJをみようと思ってand moreへ足を運んでみたのであった。
and moreはエレクトロ、ブロークン、
キラキラしていないストイックなハウスあたりの音が中心。
朝方には90年代後半〜00年あたりのクロスオーバー系の音が
かかっていて懐かしい感じ。
kezさんのブロークン寄りのセットでガッツリ踊り、
あとはorganとBALLを行ったり来たり。
そのときどきですきな音がかかっていそうなほうに足を運んで、
気持ちよく音に包まれて楽しく過ごす。


●16日のこと

夕方、S.C.O.F.のリスニングパーティー@スタジオへ。
美味しいお酒なんかを飲みつつ、サンドイッチをつまみつつ、
佐野さんの話に笑いつつ、新曲を聞かせてもらいつつ、
みんなで談笑しましょう、というような不思議な会。
友人宅で鍋をつついてるのと同じような空気の、不思議な暖かさの会。

テーブルを移動させようとした際に
ビールグラスをひっくり返すという粗相をやらかした。
なぜわたしはいつもいつも、うっかりの典型をやらかすのか。
これではまるでいつも上の空な人のようで、困ってしまう。

PVや、手作り感満載の会場のデコ(とくにきらきらしたモビール、
あれはモビール好きにはたまらない!!)を楽しく眺めて、楽しく過ごす。

前日鍋をした友人宅にマフラーを「うっかり」忘れていたことに気付き、
帰り道に回収、あれこれ喋って帰宅。


●17日のこと

非常口ラウンジの日。
皆がニューオーダーについて話しているのを興味深く聞く。
全くもって知らないロック寄りな世界、というかロックな世界。
そっち寄りの音のおすすめをいくつか教えてもらう。

みんなが帰った後、年末で退職される藤田さんと、
何故かラウンジでキャットファイト@非常口の録画映像を見ながら談笑。
北海道に戻ってファーマーになるのだそうだ。
非常口店長の前は花火職人を目指して修行していたそうだが、
花火職人にはならないらしい。

人生いろいろ。


●18日のこと

仕事後、音の源@roomへ。
フォトグラファーのヨシマロくんから写真の話を聞く。
仕事の写真、と、個人の写真、の境界線、
それぞれの位置づけの話が興味深かった。
KAZUさんという方がかけてたstay with meのカバーが面白かった。
誰の何という曲か教えてもらおう、と思いながらも
友人らとのお喋りに興じてしまって聞きはぐったまま朝方、帰宅。
帰宅後、ネットで検索するも、それらしいものには出くわさず、
もやんとしたまま眠る。


●22日のこと

前日に、すべきことをやっつけてから眠った自分へのご褒美として
いつもより少し奮発したコーヒー豆を買いに新宿へ。

夜はオルガンバーの周年パーティー。
きて下さった方、ありがとうございました。
いやはや楽しかった。
何といっても、あの闇鍋的、ごった煮的な人々の集い方はなかなかない。
要するに、短時間にいろいろな人のDJを聴ける、とても楽しい機会。

すごいなぁ、これだけの人が集まってくるということは、
すごいことだなぁ、とそのエネルギーに漠然と感動しながら飲んでいたら、
いつの間にか飲み過ぎて眠た過ぎ状態に。

睡魔と闘いながら薄れ行く意識の中で、
誰だかよく思い出せない人に何度か頭をがしっと鷲掴みにされた記憶あり。

あと、それとは別の、誰だかよく思い出せない人が
わたしのことを「大島!」と呼んだので、
反射的に「わたし、大島じゃない!」と叫んだら
「あ、ごめん間違えた、大橋!」と言われた。

大倉です。以後よしなに。


●23日のこと

昼過ぎに目覚めて家の雑務など。

午後は友人らと新宿で待ち合わせて、
浅草までポタリングの旅。

待ち合わせ場所にやって来たてっつぁんとアヤちゃんは
ちょうどいま婚約指輪を買って来たところだとかで、感慨深い。
「すごいすごいー。どんな感じ。
 婚約指輪買うってどんな感じ」と興奮気味にきいたら、
「え、別に普通」「高い買い物だなぁ、って感じ」
「自転車で走ってる間に落としたりしたら最悪だよね」とのこと。
当事者にとってはそんなものなのか。

外堀通り沿いに山手線内を横断、
冬の始まりのような、秋の終わりのような、
からりとした空気と、澄み渡った空が気持ちいい。

隅田川を渡るとき、
水面がきらきらと眩しく光っていて嘘みたいにきれいで、
その川の両側に並ぶマンション群のベランダには干された洗濯物、
この二つの要素がひとつの景色に両立していることに
妙に感動した。

浅草寺付近で駐輪、屋台を眺めつつ3人でお参り。
雷門の大きな提灯、あの提灯のしたの部分には「松下電器」の文字があり
あれは外国人観光客への宣伝効果がわりと強いように思うが、
パナソニックに社名統一した今、
その効果はどういうふうに変わるんだろう、とかそんなことを考えながら。

水を入れるとぴゅーぴゅーと音のする笛に変わるプラスチックの玩具、
それを吹き鳴らしながら、通りを行く人を車に見立てて
交通整理をする中国人兄弟がかわいかった。
送信者 日記用

カメラを向けても物怖じしないで交通整理。
背景のお煎餅が満月みたいで美味しそう。

夕方の浅草寺は幻想的。
送信者 日記用


で、少し怖い。
送信者 日記用


江戸川乱歩の傑作選にここの五重の塔が出てくる話があったけれど、
そういうのもあいまって何だかその場に自分がいないような、
そこにある物語を傍観者として見ているような、
そんな気持ちで景色を眺める。

3人でおみくじを引くと、あやちゃんとわたしは吉、てっつぁんは大凶、
「結婚指輪、落としてへんやろな」と突っ込みを入れるアヤちゃん、
微笑ましい。

帰りは薬研堀の七味唐辛子本舗に寄って、
切らしていた輪切り唐辛子を購入。
瓢箪の形の七味入れがとても可愛らしい。
家にある七味が切れたら、次はあの瓢箪入りのんを買おう、と決める。



●24日のこと

午前中は仕事。

午後は楽天勤務時代の同僚と青山にてお茶。
その友人は転職先の企業でインポートストッキングとタイツを
web販売しなければならなくなったとのことで、
インナー全般のweb販売てどうよ、どうすれば売れるのよ、
という話で呼び出されたのだが、やっぱり話は脱線するのであった。

30前後女子的あれこれ、と、仕事諸々、すきな映画の話など。

元同僚って、よい。
いつかの汗とか、いつかの苦笑い、駆け込みランチやデスク飯、
喫煙所の淀んだ空気をわけあった人たち。
会社は結局、全面的にはすきになれなかったけれど、
一緒に働いていた人たちは今でもずっと、だいすき。
ときどき会って喋って笑ってその気概に触れると肩の力がすうっと抜けたり、
わたしも真面目に、着々と粛々と頑張らねば、という意識が湧いたりする。

夜は会社の別の先輩とご飯。
青山でイタリアン。
30代男子的あれこれ、20代後半女子的あれこれ、
理想の暮らし方について、
「週末婚で、土日は家にいなくても良い、という在り方が理想」
と言ったら、「それは結婚とは言わぬ」と言われた。
確かに仰る通り。

他、仕事のこと、などなど。
要するに、やりたいことをやる、だけだ。
やりたいことでフィーが発生するように、
仕組んだり絡めたりしなきゃね、
それで、そのやり方ってこんなよね、
でも、こんなやり方もあるよね、とかそんな話。


●28日のこと

友人からの誘いを受けて、無理矢理仕事を終わらせ、曙橋へ。
数ヶ月ぶりのOne。

目新しいメニュー、牛角煮のカレーとか何とか、というカレーを食べる。
カレーは野菜ごろごろ。
噛まなくても口の中でとろりと蕩けるお肉。
送信者 日記用


上の写真だと一見、たいしたことなさそうに見えるが、
煙草の箱と並べてみれば一目瞭然のボリューム。
送信者 日記用

まるっと間食。

厚岸産の牡蠣も一粒。
やっぱり牡蠣は生が美味。

店主坪ちゃんが出してくれたワインもとても美味しかった。
ダンキューとかいう雑誌に載った銘柄の赤ワインらしい。
味がちゃんとするのに渋みがなくて飲み易い。

わたしは全くもってグルメではないので、
普通のものを食べても美味しい、
美味しいものを食べればすごく美味しいと思えてしまう、
安上がりに作られた人間なのだけれども、
それにしてもやっぱりoneは格別。

ここで料理を食べる度に、
美味しいものを美味しい、と味わいながら
食べるということは素晴らしいことだなぁ、
今日食べたご飯が明日の身体をつくるんだもの、
としみじみ考える。

料理の小難しいことは解らないし、
ましてやワインのあれこれなどちんぷんかんぷんなのだが、
坪ちゃんが目をキラキラさせながらワインについてを語るので、
その様子を見ているだけで妙に感動して、友人と楽しく聞く。

その様子を奥様のタマさんが「また蘊蓄が始った」という顔で見ているのが、
重ねて面白い。


●29日のこと

夜、渋谷にて打ち合わせ。
2009年は新しく面白いことやってみよう企画第一弾、
その顔合わせも兼ねた3人会ミーティング。

以前、koaraで偶然にお会いした人と
「そのうちなんか一緒にやりたいねぇ」なんて話をした。
その後わたしがぼんやりとしていたら、
知らぬ間にとんとんと話はすすんでおり、
年明けから渋谷koaraにて
サンデーアフタヌーンパーティーをやらせて頂けることになった。
多分、隔月開催。

3人会はわりと雑談、
下らない話で盛り上がって爆笑したりで、
でもとにかく楽しくしたいね、
小難しいこと抜きで、気楽だけど真剣に楽しむ感じで、
とりあえず3人が3人とも、
妥協なくすきっていえる曲をかけれるって感じがいい、とか、
みんなで喋っているだけでもわくわく。

今まで常に借り家住まい、
すでにスキームができているところにポンと便乗という形でしか
イベントに関わったことがないわたしなので、
こういう形でゼロから参加できるのはテンションが上がる。
自分の家ができたみたいで、嬉しい。

わたしなんかの何百倍も音楽のことをよく知っていて、
現状到底追いつけないところにいるであろう友人たち、
その会話を聞いているだけでも楽しくて、かなりわくわく。
重なるところもあるけれど、好んで聴いて来た音の種類は全然違う三人、
それぞれが楽しくできるといい。
いつか、この三人でやる意味がちゃんと見つかったりすると尚、いい。

一発目は1月18日日曜の開催、
詳細は改めてお知らせさせていただきますが、お時間ある方はぜひ。

まるっと酔っぱらったまま、みんなでkoaraとオルガンに寄る。
koaraでは非常口で一時期ご一緒させていただいていた
WAKAくんに再会、あれこれしゃべり楽しくなったまま帰宅。


●30日のこと

終日、仕事。

夜、友人がうちに来てくれると言うので、合間に簡単に部屋の掃除など。

久しぶりにバイクの後ろに乗る。
わたしは自転車の気ままなスピードが好きだけれど、
ときどき友だちにバイクに乗せてもらったりすると
やっぱりテンションが上がる。
車の免許は持っているけれども、
壁や屋根のある車に守られて車道の真ん中にいるのとはまるで違う、
季節の空気の匂いも車の排気ガスも一杯に吸いながら
何かにしっかり向き合っているようなあの感覚、
何に対するものなのかいまいちさだかじゃないけど、
酸いも甘いもな風情の当事者意識、
そういった感じのものを久々に味わう。

しかし、困った時にヘルプコールをすれば
とんできてくれる人がいるということ、
胃と心臓の間の隙間の奥の辺りがくうっと苦しくなった時に、
その苦しみを直接にやわらげるでなくとも、
側で眺めていてくれる人がいるということ、
わたしの情けない右往左往ぶりであったり
どうしようもない彷徨いぶりを見て、ひょいと手を差し伸べてくれる友人、
手を差し伸べられたことでふと我にかえりその手にすがるでもなく、
勝手にあらぬベクトルへ向かおうとするわたしを
微笑みつつ眺めていてくれる友人、
そういう人がいるということはとてもとても幸せなことであるなぁ、と思う。
メグちゃん、ありがとう。

そして、真夜中の修羅場。
まるっと疲れて、そして幾分すっきりして、帰宅。


●1日のこと

取引先で打ち合わせ。

ああ、それにしても夜中にあんなことがあるとさすがに昼間は眠くなるなぁ、
修羅場っつうのは夜が似合うけど
次からは昼間にしないと翌日眠い、と思いながら、
打ち合わせのために足を運んだ取引先事務所で人目を盗んで、
伸びをしながら大欠伸をすると涸れてたはずの涙がじんわり出て、
なんだ、涸れてたわけじゃないのか、
なのに泣けないなんてわりと最低、と思った。

自分の感情の暴走がだいすき、感情が暴走している時の自分が大すき。
超バカだし、頭であれこれ計算してるのにそれをマルッと無視して
周囲はおろか自身にすら阿呆かと突っ込まれながらも暴走する感じ、
普段の頭とこころの主従関係が逆転して、
こころの無軌道な遠心力に身を任せる感じがすき、といつも思うが、
結局わたしがすきなのはわたしなのだな、
ああ自己愛の極み、と思いながら、
マスカラが落ちないように欠伸で濡れた目頭を拭うと、
「どうもどうも」と取引先の人が部屋に入って来たので、
それ以上考えるのを辞めた。


それにしても。
ここ2ヶ月ほど、身体ってほんとただの容れ物だわ、と
眠りたいのに眠れなかったりするし、
別に食べたくないのにお腹が鳴ったりするし、
こころや頭はときどき身体の奴隷のようでとても可哀想、
と思って身体とこころ・頭について考えることが多かったけれど、
この一件は、こころと頭についてを、
あるいは強さとやさしさについてを考える、
よいきっかけになったような。

しばらくのわたしは多分、
いままで通り過剰な自分を持て余しつつも、
暇を見つけると、こころと頭のこと、強さとやさしさ、
自己愛について、をぼんやりと考えてすごすのだろう。



夜は仕事後一旦帰宅して、非常口ラウンジ。
ハウス寄りブロークンビーツをゆるゆるとかける。
他のみなさんは何故かこぞって大人なセット。

部屋にあるミキサーが壊れかけている話をしたところ、
裏側をぱかっと空けてアース線をつなげばよい、と
わたしには全くできそうにないあれこれを説明してくださった。
ぱかっと空けていわれた通りにすれば、本当に直るのだろうか。
試してみたい気もするけれど、かえって壊してしまいそうで怖い。

物怖じしたついでに、どんなミキサーを買うべきかなど
ショーさんと須崎くんからアドバイスを頂く。

ただでさえ物要りな年末なのに、このまま故障したら泣きそう。


●2日のこと

仕事がわりと早く終わる。
仕事先を出た後、「今日は飲み比べだ!!」という別の取引先と飲んだ。
酔っ払う日と酔っ払わない日の区別というものがわたしにはあって、
それは体調であったり精神状態であったり、
そういうもろもろの条件が重ね合わさっているのだが、
直感的に自分でどちらの日なのかはわかり、それは当たる。

酔わない日だな、と判断して、
「おー、寒くなって来たしいいっすねぇ」と
その方と仕事のことやら長男長女気質のことやら喋りつつ、
日本酒熱燗飲み比べ。

わたしはあまり酔わずにあちらがべろんべろんになり、
飲んだ場所から50メートルほどの取引先事務所まで
その方を引き摺って行き、
わたしより10センチは高さがあるであろう大きい身体、
おそらくは若干メタボリック気味であろう40オーバーのその重たい身体を
どさりとソファーに放った後、 鞄に入っていたウコンの力と一緒に
「わたしの勝ちだったので お会計はそちら持ちにさせていただきました
 ごちそう様でした」と置き手紙をおいて帰宅。
翌日には「いやー、大倉さん、うちの姉貴と似てるから
なんか安心して飲み過ぎちゃったよ」と連絡が。
それは一体、どんな安心の仕方なんだ。

お世辞にも器用とは言えないが、
自分内ルールに反しない範囲では求められる役柄を適当に演じる自分もいて、
ああ、ここでも長女気質、ほんまによくないな、と反省した。

最近かなりの頻度で鞄にウコンの力が入っていることもあわせて反省した。

お会計のときにわたしの財布の中のお札だけでは足りないことに気付き、
「わたしのお金だけじゃ足りないです」といったら
「これ」と言ってべろべろのまま手渡されたカードで
お会計を済ませてしまったこと、 これに関してはそんなに反省していない。
この辺りはやや、妹的な気もしなくもない。

が、次回のお会計はわたしがもつ。
その辺りはやっぱり長女気質なのかもしれない。


●3日のこと

仕事後、プレミアムカッツ@オルガンへ。
松本さんのDJが楽しく、気分よく楽しく踊る。
藤澤さんの辺りから、だんだんエレクトロになって行く感じが新鮮。
オルガンでエレクトロ寄り(ハウスではなくて)というのは、
わたしにとっては新鮮。

気付いたらうとうとしていて、うとうとしたまま自転車で帰宅、
入浴を済ませた辺りで途切れる記憶。


●4日

朝、目が覚めたら、床でおかしなポージングのまま、
布団と毛布に蓑虫のようにくるまって寝ていた。
あまり睡眠時間が取れないときや、
疲れ過ぎてこのままベッドで寝たら朝起きられないやもと不安な夜なんかに、
床で眠るとか、椅子にもたれたまま眠るという選択肢を
ときどき無意識で選んでいる自分がいて、目が覚めてから驚く。

無意識で選んでいるからには、
多分わたしの身体にあったやり方なのだろうと思うけれども、
やっぱりちゃんとベッドに横にならないことには身体の疲れは取れないしで、
そこがとても歯がゆい。

ふかふかのベッドで眠っても、朝ちゃんと定時に起きられる方法が知りたい。


●6日のこと

午前中は睡眠に当てる。

昼前にのそのそと起き出して、入浴。
家のことをさくさくとやっつけ、
2ヶ月ぶりの美容室でストレートパーマをかけて脱・片桐仁。
さらさらの髪の毛は10ヶ月ぶり。
手触りが新鮮で無駄に何度も撫でてしまう。
るんるんと帰宅。


夜は東京歌謡曲ナイト。
カンくん、オダギリくんがかけていた自分ミックス、
特にベースのぶっとい音とかが新鮮で面白かった。
久々に再会した友人たちとも、たこ焼きをつついたり、
おにぎりを頬ばったりしながら、あれこれとお喋り。
来て下さった方、ありがとうございました。

先日、ルームで久しぶりに再会したアキちゃんが率いるウータンズが
SWのマサヤンと一緒にライブをすると言うので、
夜中に非常口を抜け出して自転車でオルガンへ。

彼女と再会するといつも決まってそうするように、
ぎゅうと抱きしめ合って挨拶。
鼻歌を聴いて以来すっかりアキちゃんのファンなわたしなので、
その歌声を存分に聴けてうっとり。
そして、歌っているときの彼女はすこぶるチャーミングなのである。
ライブは全曲スタンダードのカバー。
アキちゃんの歌うオリジナルが聴いてみたいなぁ、と思いながら、
ライブ終了後自転車で非常口へ戻る。

朝方はこれまた友人らと楽しくお喋り。
わたしが一向に悲しくならない件についても突っ込みを受ける。

占い師アケオさんには、直感で面白くて素敵、と思うものに
触手を伸ばして行けばすべてはうまく転がるから、
肩の力を抜いて勘で動いてよし、と言われた。
そうします、と返すと、
「そうしようとしなくてもあなたはそういう風にしかできない星の人だから」
などと言われる。

眠いながらも朝方まで楽しく過ごして帰宅。


●7日のこと

昼前に起床。
午後はちょこっと仕事した後、気分転換に早稲田の本屋まで散歩。
音楽を聴きつつ、小説を読んで過ごす。

夕方からは忘年会。
大人社会での忘年会というのは懇親会であるからして
出席したほうがいいに違いないのだが、
そういう集まり、ひとまずその場にいるということで
互いの距離感を確認し合わなければならないような関係性、
そういうのが頗る苦手で面倒くさがりなわたしは、
その場で笑顔を張り付けてぼんやり笑っているだけだと
自分がどんどんすり減って行く気がして嫌な気持ちになりがち、
(決してその場にいた方たちが嫌いというわけではない。
 そういう関係の確かめ合い方がどうも昔から得意ではない、
 というだけの話)
なので、気を紛らわすために全く関係ないことを考える。
頭では出席したほうがいいと解っていても、こころではまるで拒否、
身体とこころ・頭はきちんと眠ることで親密になる気がするけれども、
こころと頭が親密になるためには何をすればいいのかしら、とか、
そんなことばかりを考えて、
一人でにやにやしたりハラハラしたりして、過ごす。

疲れたし、時は金なりだしで、帰ろ帰ろ、と
空気を読むことをさっぱり諦め、終電で帰宅。


●9日

夜中、ひどい金縛りにあった。

ここ1ヶ月ほど、よく金縛りにあうのだ。
ここ数年は眠くなる直前まで本を読んでいて、
気付くと本に突っ伏したまま眠る、ということが多かったのだが、
ここ最近、眠る前に本を読むことをやめたせいか、
仰向けに寝転んでうとうとし始めた頃あいに、よく金縛られる。

その中でも9日は特に酷かった。
脳味噌は起きていて身体が眠っている時に起こる現象だと
わかってはいるのだけれども、あ、金縛りだ、と思った瞬間、
それが恐怖系の記憶か何かと結びつくと変な幻覚を見るのが苦痛。

幼少時代のわたしのすきな映画はエルム街の悪夢で、
ゲームに興味がないのに唯一自腹で購入したソフトはバイオハザード。

恐怖系あれこれに対する抵抗力にはわりと自信あり。
ふわふわした人の形のようなものをみても、
仮にあれが幽霊とかいうものだとして、
真夜中の散歩の途中、何かの拍子でわたしの部屋に迷い込んだのだとして、
別にその人が悪い人だとは限らないし、
まあ金縛りが解けたらお茶くらい出してやるからゆっくりしてきな、
くらいの心持ちで普段はいるし、
幽霊なんかよりも、話が通じない人とかのほうがよっぽど恐ろしい。

なので、金縛りもわりと平気、
そんなわたしのはずだが、久しぶりにぎゃぁ、と思った。

半目状態で薄く空けた瞼、横に細長く広がった視界の中で、
人のような形をした白っぽいのんが
勝手にわたしの部屋に上がり込んでふわふわ楽しそうに舞っている。
足下にあるクローゼットの天袋部分から
蛇のようなうねうねした形状のもの、
太ももほどの太さでだらだらと無駄に長い白いものが
にゅっと出てきたと思ったら、
尾っぽを天袋に収めたままの状態で、
頭のほうの端がするするとわたしの枕元に近づいて来て、
口のようなものをパカっとあけると人間の歯とよく似た形状の歯が
ずらっと並んでいて、その中から赤いものが出て来て、
何だこれ、舌だろうか、と思いながら眺めていたら、
さらにその先端に目玉がついており、
その目玉で、半分開いたわたしの目を覗き込まれた。
しばらくいろんな角度から覗き込んだ後、
ぱかっと開いた口に並んでいる歯が目の前に近づいて来て、
ああ、眼球を噛まれる!と思った途端、
急に沸騰したように勢いを増す恐怖。

瞼を無理矢理に閉じられたのか、白目を剥いたのか、
どうやったのか定かじゃないが、辛抱堪らず視界を遮断し、
頭の中で羊を数えることに専念、いつの間にか眠っていた。


目が覚めて天袋を確認したけれど、
やっぱり何もいなかった。


幽霊は平気だけれども
眼球を噛まれそうになったのは死ぬほど怖かったので、
夜はしばらく小説を読みながら本に突っ伏して
本で目をガードして眠るようにする。

コメント

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