先週末のこと

9月12日から15日の三連休のことを列挙。


●金曜日

母が都内の病院で診察を受けるために泊まりに来る。
なので仕事を早々に切り上げて一旦帰宅。

ここ半年ほどの間にジムに通い始めた母は
持参した部屋着のTシャツの袖をまくり上げ、逞しい二の腕をわたしに披露。
腕を曲げると筋肉が盛り上がるのを娘に見せつけて得意げな母。
すごいねぇ、と褒めそやすと
「でしょ、お父さんにもみせてあげたの、そしたら「おー恐っ!」って
 言われちゃったわ」とのこと。
ジムでのお友達にもみせて回っているらしい。
「旦那に重い荷物持ってもらえなくなるわよ」と言われたのだかなんだとか。
「それは由々しき事態だね」と返したら
「お父さんはたとえお母さんの二の腕がお父さんの二倍の太さになっても
 お母さんの荷物は持ってくれるわよ」とか何とか。
仲が良さそうで何よりである。
そして、こういうときの母は頗るかわいいのだ。
わしゃわしゃと髪の毛をくちゃくちゃにしてなで回してやりたいくらいに。

その他、母が執筆中の本についてなど。
しばらく前に「わたし本書く」などと言い出した母を、
わたしを含め家族全員が「また母の思いつき病が始まった」と
適当に受け流していたのだが、その後も飽きずに書き続けているらしい。
父から自費出版の承諾まで頂いたそうで。
どんな本かを尋ねてみたところ「子育ての本」とのこと。
「出来たら智ちゃんと愛ちゃんにも1冊ずつ送ってあげるから。
 いつか子育てする時に参考になるでしょ。」というので、
「反面教師としてね」とニヤニヤしながら返したら
「ひどーい」などと言われた。

娘の恋愛模様をそれなりに心配していたらしい母は、
現状を知って安堵した模様。
安堵したついでに見合いをすすめてくるので、
「いやいや、わたし卵子冷凍保存しておいて
 45歳とかでかわいくて若くてかわいくて気の利いた
 わたしが大好きだと思える男の子の赤ちゃんを出産して、
 『40半ばで子ども生むなんてあいつ、魔女だぜ』って
 噂される予定だから、見合いは必要ないよ」などと嘯く。

その後、夜中の二時前に「出かけるわ」と言い出した娘に
「どこに」という至極真っ当な質問を投げかける母。
「オルガンバーってとこ」と答えると
「オルガンがあるバーなの」と聞き返す母。
にひひひと思って
「そうそう。荘厳なパイプオルガンの音が鳴り響く中で、黒ミサすんねん。
 わたし魔女やから」と返す。
笑い出してしまう前に真顔で
「ふーん。魔女なのに自転車で行くのね、帚じゃなくて」
と切り返す様子に、さすが我が母、と唸った。


で、初めて遊びにいってみたレコード番長。
これについては先日の日記に書いたので割愛。

朝方まで踊り、母の朝食を作るために6時頃オルガンバーを出る。



●土曜日のこと

帰宅すると母はすでに起きていた。
「黒ミサはどうだったの」などと言っているので、
「新しい魔法陣の描き方を覚えたよ」などと返しながら、
ひと風呂浴びた後、味噌汁作成。

前日に買っておいたらしいサンドイッチを
すでに平らげてしまったらしい母だが、作った味噌汁を茶碗によそると
「美味しい、これ美味しいね」といいながら啜る。
味の素のだしの素とスーパーで売っている何の変哲もない味噌に
豆腐とふえるわかめちゃんを入れただけなのだが。
仕舞には冷蔵庫を開けて味噌の銘柄まで確認した母だが、
わたしが使っているのは実家のそれと同じ味噌で、
「なんで美味しく感じるのかしら」などと呟いている。
「自分以外の人が作った料理だからじゃない」と返しながらも、
母に料理(と言えるほどのものでもない)を褒められるのは頗る嬉しい。

わたしは母の作る煮物がすきだ。
何のことはない質素な家庭料理だが、だいすきだ。
ひじきと厚揚げと人参を少しあまい味付けで似たのとか、
定番の肉じゃがとか。
盛りつけだって全然お洒落なんかじゃない。
大皿に載せられて、どーんと出て来る。
「たくさん食べなさい、好きなだけ、存分に」と言っているかのように。
家で自分で同じ料理を作ってみると惜しいところまでは行くのだが、
なかなか同じ味付けにならない。
ときどき、よく似た味に仕上がると妙に嬉しかったりする。
母が正解、というわけではないのに、追いかけてしまうその背中。

味噌汁を啜りながら、そんな話をすると、母はご満悦な様子。
照れて「そんなことないわよ」などと言う様が、また可愛い。


「ちょっと眠らせてね」とベッドに潜り込みながらも、
あれこれとお喋り。
次第に重くなる瞼、途切れがちになる会話。
どろんとした睡魔が押し寄せて来て、母が家を出るまで仮眠。

病院に付き添うつもりで10時頃起床すると
「病人扱いしないでくれる」などと母にピシャリと言い放たれ、
「なにさ。たまには出来た娘ぶらせてよ」などと返しながらも、
「もっと寝なさい」という母に甘えて、玄関先で見送る。

「また来るわ、そのときはよろしくね
 早く帚で飛び回れるといいわね」などと言い残して去る大魔女様。

ベッドに戻り、昼過ぎまで眠る。


起きた後、ひと風呂浴びて家のあれこれ、と、ちょこっと仕事。
音楽など聞きながら、読書。
途中から楽しくなって来たのでひとしきり踊って、
また読書。

夜は自転車で渋谷softへ。
鈴木さんとやっすくんとコンコルドくんがDJをするというので観に行く。
中塚さんがかけていたself controlのバップ調REMIXが斬新で面白かった。
あと、同じく中塚さんが後半に流したドラムンが印象的。
ひとしきり聞き入って、少しだけ踊って、店を出る。

ドレッドフルに寄ってビールを一杯だけひっかけて4時頃帰宅。



● 日曜日のこと

9時に目が覚める。
まだ眠いと思いながらも、ここで起きないと体内時計が狂うのだ、と
無理矢理起き上がる。
ベッドにぴったり貼りついた体をひっぺがす時に、
べりべりべりべり、という音を聞いた気がした。

ゆっくり朝風呂に入った後、音楽を聴いてテンションをあげ、
ふんふんと鼻歌など歌いながらIKEAのカタログなどめくり、
やっぱりソファーが欲しいと思ってweb上の家具屋を徘徊するも
買う踏ん切りが着かずに終わる。

昼過ぎに散歩がてら早稲田の本屋へ。
小説を1冊買い、帰りにスーパーに寄る。
作り置きしておいた野菜スープを解凍してスープパスタ風にして食べた後、
コーヒーを啜りながら一服しつつ、
また別のお店のソファーのカタログのページを繰る。

ひとしきりぼんやりした後、
買って来た小説に手をつけて、読みながら少しうとうと。
部屋の床にごろんと横になって、窓を開け放して、
窓の外に見える空を眺めたりしながら本を読んでいるときに、
ふつふつと湧いて来る幸せ。
それを噛み締めながらうとうとしていたからか、
なんだかしあわせな夢を見た。
起きてマニキュアを塗り直したりしたあと
再びうとうとしてはっと目を覚ますと爪の先、
乾きかけのマニキュアが縒れていた。
むう、と思う。


夕方、前の会社の同僚が遊びに来る。
阿部ちゃんと網ちゃん。
来月の阿部ちゃん結婚式で二次会のお手伝いを引き受けたので
その打ち合わせも兼ねて、女子三人で歓談しましょう、という会。
別名「結婚ってそういうことだったのか」会議。

ビール6缶と白ワイン1本を冷やしておいたのだが、
阿部ちゃんがさらに白ワイン1本、
マンゴーのワイン1本を差し入れてくれた。

先日アヤちゃん宅でご馳走になった料理がとっても美味しかったので、
真似して作る↓

















スモークサーモンに完熟ゆで卵を崩したものと
人参を薄くスライスして塩揉みしたものを添えた料理。
オリーブオイルをどろんとかけて、
ワインビネガーをちょろっと垂らして、
風味が足りんかも知れん、などと市販のイタリアンドレッシングも垂らし、
ブラックペッパーと乾燥バジルをまぶしただけ。
15分で美味しい、お手軽なおつまみ。
突然の来客に、猛プッシュしたいくらいおすすめ。
アヤちゃん、レシピをありがとう。


↓乾杯するなりビールを飲み干し、すでにまったりな二人。















上記のサーモンが少なくなったので、
季節のものも、と思って茄子の豚コマ肉あんかけを作成。
盛りつけてテーブルに持って行き、
それぞれに新しいビールを持ってテーブルに戻ると、
すでについばまれて写真に収める暇もない。
食欲旺盛、なのは多分「類は友を呼ぶ」というやつなのだろう。


↓網ちゃんはアルコールを与えないうちは仕事ができる別嬪さんなのだが




















お酒を与えると要らんスイッチが入り
御手洗いから戻る度に変なダンスを披露しながら登場。

















動きの切れが良すぎて、シャッタースピードを調整しても収まり切らない。


新婦阿部も仕事のできるいい女。
だが、お酒を与えるとやはりネジがゆるむらしく、
人のサングラスを勝手にかけて鏡の前で
「わたしパリス・ヒルトン」などと豪語↓





















似てないよ全然違う、といったらグーで頭をぽこりとたたかれた。


で、肝心の打ち合わせを、と思いきや、
お酒が入っているせいで話し合いらしき話し合いにならない。
「楽しくしたいのよ、楽しく!」とのこと。
そりゃ勿論、悲しくするつもりなどないが。

しかも、受付なんかに座って記帳を促し、
適当にえへらえへらしてればいいものかと思っていたら、
わたしと網ちゃんに振られた役割は音楽担当だったのでぎょっとする。
結婚式の二次会に相応しい音楽ってどんなのなのかうまく想像ができない。
ご歓談タイムに薄くハッピーな曲を流せばいい、
というものでもない気がする。
歌詞なんかがあやふやな曲をかけたら地雷を踏みそうだ。

これはぜったいかけて欲しい、という曲があるか尋ねたら、
「strings of life とfade」と阿部ちゃん。
「fadeは恋が終わる歌だよ、たぶん。
 結婚式ではかけないほうがいいと思うけど」と返したら
「ちっちゃいことは気にしない。好きな曲だからいいの!」とのこと。
おおらか、というか、何というか。

しばらくして思い直したように
「やっぱfadeはやめる。strings of lifeだけでいいや」
という阿部ちゃんがめちゃくちゃに愛らしくて、
「阿部ちゃん、かわいい」と口にしたら真剣に照れるので、
網ちゃんと二人で、かわいい、かわいい、といってさらに照れさせる。


で、缶ビール6本、ワイン3本が空いた(!)頃、
strings of lifeをかけてみたらこの有様↓
















※ 人(わたし)の家の中の風景である。


「頼むから静かにして。このマンションから追い出されたくないから。」
と懇願しても5分後には騒ぎ出す。
ぎゃいぎゃい騒がしい女子を黙らせるにはスイーツが効果的なことは、
わたしも女子なのでよく知っている。

で、網ちゃんのお土産、ティラミスと蕩けるプリンを投入↓


















案の定、大人しくなる女子↓

















まったりしたついでに、みんなで床にごろごろ。


















くつろいだまま、仕事の話、将来の話など。
「大倉ちゃんはどうするの」と聞かれて、
上記の母親にした話(卵子冷凍保存で魔女云々)を話したら、
「似合いすぎるからやめとけ」と真摯なアドバイス。
「冗談ですから」と返す。


くつろいだ空気の中で惚気話を披露してはうふふと笑う
新婦阿部が可愛すぎる↓






















惚気話っていつ聞いても、いい。
聞いているだけでこころがまあるく、ふっくらと膨らむ気がする。



予想はしていたのだが、
網ちゃんは酔っ払い過ぎて帰ることもおぼつかなくなりうちに収容。
阿部ちゃんを駅まで送った帰り道、
「アイス食べたい」とねだる網ちゃんに引っ張られてコンビニへ。
買ったパピコをはんぶんこして、ちゅうちゅうと啜りながら帰宅。


一ヶ月ほど前に、べろんべろんに酔っ払って倒れた彼女に不安になり、
10分くらい置きに彼女の脈をみた経験のあるわたしなので、
二度と繰り返させるまい、と帰宅するなり彼女に水をしこたま飲ます。

水を飲ませてしばらく様子をみた後で、
お酒が抜け始めた彼女が話し出した恋愛話を面白く聞く。
夏の終わったばかりの夜に相応しいだらしなさが心地よくて、
ふたりで寝転びながらゆるゆる↓


















「夜、家にひとりでいると悶々として来るから、
 最近は毎日ジム通い」などと言う彼女に、
「そういうときはこれ聴くといいよ」と
kindredの「I am」と歌詞カードを手渡す。

で、感極まったのか泣く網嬢。
「わたし音楽と結婚したい」とまで。
よしよし、いい曲だもんねぇ、
いつだってやさしくてとやかく言わないし、
押し付けがましくないからいいわよね、音楽は。
ひとまず、もうお風呂でも入りな、と風呂場に促す。


でも、わたしは知ってる。
音楽は誰にでも平等にやさしい。
わたしや網ちゃんだけにやさしくしてくれるわけではないのだ。

シャワーを浴びて落ち着きを取り戻した網嬢に布団を貸し、
わたしもひと風呂浴びて、網嬢は床、わたしはベッドで就寝。



● 月曜日のこと

7時半頃起床。

「ああ、お酒が抜けてない」とうめく網嬢。
朝食を用意しながら昨日のことを覚えているか尋ねてみたら、
「それがあんまり覚えていないんだよねぇ」と。
なんとも平和。
そして反省した様子の網ちゃんは、もう飲まない、などと呟いている。

朝食はごはん、お味噌汁、卵焼き、納豆。
それに加えて、お酒が抜けていない朝は
酸っぱいものが食べたくなる気がするので、
網ちゃんに食べさせようと胡瓜を塩揉みして酢を垂らし、塩抜きしたものに
梅干しとお醤油、ごま油を絡めた即席箸休めも作る↓

















その後、転職を考えているという彼女にアドバイスを求められ、
あまりアドバイスらしきものも出来ぬまま、
ゆるゆるコーヒーを啜りつつお喋り。
10時頃、化粧をすませてしゃっきりした網嬢を見送る。


改めて入浴。洗濯などの雑務をやっつけた後、
音楽を聴いてぼんやりとしたり、雑文を書いたりして過ごす。



夕方前、大学の後輩から連絡があり、突然の来訪。
会うのは半年ぶりくらいか。
コーヒーを出して母の持って来た広島土産紅葉まんじゅうを齧り、
あれこれお喋り。

「お腹がすいた」と言い出したので、
昨日作った茄子の豚コマ肉あんかけの材料のあまりをもとに、
茄子とピーマンを軽く炒めたものに
肉あんを絡めた丼ものを作成して、二人で食べる↓

















気の置けない男友達って気楽でよい。
性別よりも先に理解できる人間同士であることにスポットがあたる関係。
家に招き入れても安心な弟のような距離感の何ともフェアな感じ。

仕事のことや近況など、いろいろと喋り、
ひとしきり笑い転げる。





久しぶりに家でいろんな人とご飯を食べた休日の終わり、
外で美味しいものを食べるならばお金を払えばいくらでも出来るけれど、
おうちで笑いながら美味しいものを食べることが
一番贅沢なことなんじゃないかな、などと思ったりした3連休でした。

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