破れたデニムの補修を自分でやってみる。
図らずもまとまった時間ができたので、前々からやろう思いつつも後回しにしていた針仕事に手をつけることにした。
■目次
そのおめでたい発想のまま、お気に入りの破れたデニムの補修をしよう、と考えていたのだ。
お気に入りのデニムって言ってもノーブランドのやつ。
大学2年くらいのときに、5000円握りしめて原宿にいって、竹下通り沿いの安いデニム専門店で3時間くらいかけて片っ端から試着して選んだ3900円くらいの細身のデニム。スキニーみたいにストレッチが効いててパツパツという感じでもない、でも程よく細身のデニム。
不思議なことに、大学卒業以降は20代中盤以降は全く履いてなかったんだけれど、30代になって足を通してみたら履き心地がよくて、時々愛用していた。
が、ある日気づいたら股のあたりが避けていた。
思いっきり股の部分だから、履いててもばれない部分なんだけれど、しゃがんだ時にこの裂け目が広がらないとも限らないわけで。
いつか補修したいなーと思っていた。
で着手してみることにした。
そしたら股の部分以外にもすり減っている箇所がちらほら。
ヒップのポケットのあたりとか。
左右ともにヤバい。
特に右のポケットのあたりは完全に擦り切れてる。
膝の内側のあたりも、摩擦で擦り切れているけれど、この辺りはまだ許容範囲かな。
ついでに、ロングのデニムスカートでスリットの付近が破れてしまっていたものも、合わせて補修することにした。
これこれ。Journal Standard relumeのだったと思う。
わたしは大股でガツガツ歩くタイプなので、スリットが避けがち。
よく見るとスリットの右側にも穴が空いている。
デニムパンツの方は、横糸が残って縦糸が切れていたけれど、ロングスカートは横糸がちぎれて縦糸が残っている。
わたしはこの動画を参考にしました。
www.youtube.com
いや、この方はプロだからね、この通りに行くわけないけれど。
でも、家庭用の旧型とはいえミシンもあるし、できればちゃんと補修してみたいな、と思って。
そのまま残っている横糸にしつけ糸を追加して補強し、裏から補修布を当てることでさらに補強。そして、縦糸の方向に沿ってデニムの色に応じた糸で叩き縫いをすることで補強している、らしい。
デニム生地が薄くなっている部分の補修に、生地の裏側から貼り付けていくんだけれど、結局全然足りなった。足りない部分は自宅にあったアイロン接着の裾上げテープで代用した。
補強用にデニムの色に合わせて3色。縫い代部分に近い黄色い糸を1色購入。
その他に以下のようなものも必要、もしくはあると便利。
家の裁縫箱にあるリッパーを使って、丁寧に解いていく。
リッパーが無ければないで、糸切りばさみと針を使って一目一目解いてもいいんだけれど、リッパーがあると作業効率がものすごい上がる!
解体してみるとこんな感じ。
デニムパンツ
裏から見るとこんな感じ。
わー擦り切れてる。
ヒップポケットの近くの擦り切れゾーンも合わせて補修したかったので、思い切ってウエスト近くまで解いた。
デニムスカートは裏から見るとこんな感じ。
スリットの部分ってこんな作りになっているのね!
重なり合っている部分よりも、左右に分かれている部分の方が布を多めに取っているだなんて、知らなかったー。ちょっと感嘆が漏れる。
大きく裂けている反対側の箇所にも穴が空いている。
解体が終わったら、デニム自身の折れ目や歪みを伸ばすために、軽くアイロンをかける。
デニムは横糸は白糸、縦糸が紺色なので、しつけ糸を使って裏側から横糸を追加していく。
これはデニムパンツのヒップポケット部分。
しつけ糸を適当な長さに切って、デニムの裏側からあてがい、布・革用ボンドで両端を固定。厚みは均一な方がいいんだと思うけれど、不器用なので「味でしょー」ってことであまり神経質にならないようにした。
デニムの磨り減り具合が浅い箇所は、しつけ糸を貼り付ける工程はパスして、補修布だけアイロンで貼り付けた。
デニムパンツはこんな感じ。
補修布が足りなくて、家に余っていたアイロンで張り付く裾上げテープ(黒い部分)も使ってみた。
デニムパンツは、おしり側だけじゃなくて、ふろんとのヒゲ部分で磨耗している箇所も補修布を貼った。
なるべくそのデニムの色落ち具合に近い糸を選ぶのがコツ。グラデーションになっっているので、一番磨耗が進んでいる箇所を薄い色で補修して、その周りをやや濃い色で補修していった。
下糸がめちゃくちゃ絡まるし、糸は思いの外消費するしで、ちょっと思い通りに行かないかも、なんて弱気になりながらも、気がすむまでひたすらミシンを踏む。
「元のように」って書くと簡単なんだけれど、解体した時にようやく気付いたんだけれど、デニムって強度をますために何重にも縫われているのよね。まるっきり同じように再現するにはスキルも道具も足りないので、とりあえず元あった形・外からの見た目に近づけるように縫う。
スカートのほう。
パンツのほう。
糸調子がうまく撮れなくて、絡まったり縫い目が一定じゃないのはご愛嬌。
あえて言うと、股の右側の部分の色がちょっと明るすぎた感はある。
このくらい寄ると縫ってあるのがわかる。
わーがっつり縫ってある。
でも、こんなにおしりに寄られる事もないからいいか。
ロングスカートの方はこんな感じ。
縫う糸の色が1、2トーン暗めでもよかったかなーとも思うけれど、そのうち色落ちすれば目立たなくなるでしょ、と 気にしない事にする。
以前ほど体にくったりと馴染んだ感じはしない。やっぱりゴリゴリ叩き縫いしたおしりの辺りは少し生地が硬めで、以前よりごわつく感じは否めない。
でもほら、アラフォーっていう年齢を考えればヒップラインがカバー出来ると思えばいいんじゃないかしら、なんて気楽に考えている。
一見、手直ししたとはわからない感じ。エスカレーターで後ろ煮立った人くらいには気づかれるかな、でも知らない人だし気にしなーい。
ものの値段に限らず、気に入ったものはなるべく長く使いたい。
そういう意味でも嬉しい。
本当は補修④までは2週間くらい前までに完了していた。
そこからの細々とした作業をする気にはなれなくて、ずっと作業が滞ったままだった。
でもやった今日で片付けられた。
心に引っかかっていたタスクが一つ片付いた事も、実はうれしい。
■目次
- デニム補修を思い立ったきっかけ
- 補修するデニムの状態
- 補修方法を確認
- 補修のために必要なもの
- 補修①:デニムを解体
- 補修②:穴の部分の横糸を追加
- 補修③:綿補修布を貼り付ける
- 補修④:ミシンで縦糸部分を縫う
- 補修⑤:解体した箇所を縫合
- できあがり
- はき心地と感想
デニム補修を思い立ったきっかけ
休職した直後は気持ちが張っていたせいか、前回の休職の復帰前のように「これまで時間がなかったときにできなかった、自分のしたいことをしよう」といった能天気な気持ちでいた。そのおめでたい発想のまま、お気に入りの破れたデニムの補修をしよう、と考えていたのだ。
お気に入りのデニムって言ってもノーブランドのやつ。
大学2年くらいのときに、5000円握りしめて原宿にいって、竹下通り沿いの安いデニム専門店で3時間くらいかけて片っ端から試着して選んだ3900円くらいの細身のデニム。スキニーみたいにストレッチが効いててパツパツという感じでもない、でも程よく細身のデニム。
不思議なことに、大学卒業以降は20代中盤以降は全く履いてなかったんだけれど、30代になって足を通してみたら履き心地がよくて、時々愛用していた。
が、ある日気づいたら股のあたりが避けていた。
思いっきり股の部分だから、履いててもばれない部分なんだけれど、しゃがんだ時にこの裂け目が広がらないとも限らないわけで。
いつか補修したいなーと思っていた。
で着手してみることにした。
補修するデニムの状態
材料を買いに行く前に、補修するデニムをチェックしてみる。そしたら股の部分以外にもすり減っている箇所がちらほら。
ヒップのポケットのあたりとか。
左右ともにヤバい。
特に右のポケットのあたりは完全に擦り切れてる。
膝の内側のあたりも、摩擦で擦り切れているけれど、この辺りはまだ許容範囲かな。
ついでに、ロングのデニムスカートでスリットの付近が破れてしまっていたものも、合わせて補修することにした。
これこれ。Journal Standard relumeのだったと思う。
わたしは大股でガツガツ歩くタイプなので、スリットが避けがち。
よく見るとスリットの右側にも穴が空いている。
デニムパンツの方は、横糸が残って縦糸が切れていたけれど、ロングスカートは横糸がちぎれて縦糸が残っている。
補修方法を確認
どの辺りを直す必要がありそうかを確認したら、どう補修するかの確認。わたしはこの動画を参考にしました。
www.youtube.com
いや、この方はプロだからね、この通りに行くわけないけれど。
でも、家庭用の旧型とはいえミシンもあるし、できればちゃんと補修してみたいな、と思って。
そのまま残っている横糸にしつけ糸を追加して補強し、裏から補修布を当てることでさらに補強。そして、縦糸の方向に沿ってデニムの色に応じた糸で叩き縫いをすることで補強している、らしい。
補修のために必要なもの
買ったものは以下。- 綿補修クロス
- 生地・革用ボンド
- しつけ糸
- 厚地用スパンミシン糸 (30番糸)
綿補修クロス
ダイソーで購入。アイロンで貼り付けられるタイプ。デニム生地が薄くなっている部分の補修に、生地の裏側から貼り付けていくんだけれど、結局全然足りなった。足りない部分は自宅にあったアイロン接着の裾上げテープで代用した。
生地・革用ボンド
これもダイソーで。最近「裁縫上手」っていう布用接着剤のCMを見たような記憶があるけれど、ダイソーで十分だな。しつけ糸
懐かしい。触るのは大学生以来かもしれない。今回はしつけるためではなくて、デニムの織りの横糸として補強していくのに使う。厚地用スパンミシン糸 (30番糸)
昔から愛用しているシャッペスパン。デニムなので厚地用にした。補強用にデニムの色に合わせて3色。縫い代部分に近い黄色い糸を1色購入。
その他に以下のようなものも必要、もしくはあると便利。
- リッパー
- ミシン(ミシン補修ならば言わずもがな)
- ミシン用の針(中〜厚地用の14番を使ったけれど、数枚を重ねて縫う時に折れたので、重ね縫い用には16番があった方がベターかも)
- まち針
補修①:デニムを解体
まずは、補修したい箇所のデニムの縫い目を解く。家の裁縫箱にあるリッパーを使って、丁寧に解いていく。
リッパーが無ければないで、糸切りばさみと針を使って一目一目解いてもいいんだけれど、リッパーがあると作業効率がものすごい上がる!
解体してみるとこんな感じ。
デニムパンツ
裏から見るとこんな感じ。
わー擦り切れてる。
ヒップポケットの近くの擦り切れゾーンも合わせて補修したかったので、思い切ってウエスト近くまで解いた。
デニムスカートは裏から見るとこんな感じ。
スリットの部分ってこんな作りになっているのね!
重なり合っている部分よりも、左右に分かれている部分の方が布を多めに取っているだなんて、知らなかったー。ちょっと感嘆が漏れる。
大きく裂けている反対側の箇所にも穴が空いている。
解体が終わったら、デニム自身の折れ目や歪みを伸ばすために、軽くアイロンをかける。
補修②:穴の部分の横糸を追加
穴が空いたり裂けたりした箇所は縦糸か横糸、もしくはひどければその両方が切れてしまっている。デニムは横糸は白糸、縦糸が紺色なので、しつけ糸を使って裏側から横糸を追加していく。
これはデニムパンツのヒップポケット部分。
しつけ糸を適当な長さに切って、デニムの裏側からあてがい、布・革用ボンドで両端を固定。厚みは均一な方がいいんだと思うけれど、不器用なので「味でしょー」ってことであまり神経質にならないようにした。
補修③:綿補修布を貼り付ける
しつけ糸を貼り付けた上からアイロンでしっかり固定。デニムの磨り減り具合が浅い箇所は、しつけ糸を貼り付ける工程はパスして、補修布だけアイロンで貼り付けた。
デニムパンツはこんな感じ。
補修布が足りなくて、家に余っていたアイロンで張り付く裾上げテープ(黒い部分)も使ってみた。
デニムパンツは、おしり側だけじゃなくて、ふろんとのヒゲ部分で磨耗している箇所も補修布を貼った。
補修④:ミシンで縦糸部分を縫う
デニム時の縦糸に沿って、ひたすら上下に縫う。なるべくそのデニムの色落ち具合に近い糸を選ぶのがコツ。グラデーションになっっているので、一番磨耗が進んでいる箇所を薄い色で補修して、その周りをやや濃い色で補修していった。
下糸がめちゃくちゃ絡まるし、糸は思いの外消費するしで、ちょっと思い通りに行かないかも、なんて弱気になりながらも、気がすむまでひたすらミシンを踏む。
補修⑤:解体した箇所を縫合
最後の工程。補修の最初に解体した箇所を元のように縫う。「元のように」って書くと簡単なんだけれど、解体した時にようやく気付いたんだけれど、デニムって強度をますために何重にも縫われているのよね。まるっきり同じように再現するにはスキルも道具も足りないので、とりあえず元あった形・外からの見た目に近づけるように縫う。
スカートのほう。
パンツのほう。
糸調子がうまく撮れなくて、絡まったり縫い目が一定じゃないのはご愛嬌。
できあがり
どうかな。遠目に見たら、あまり目立たないし、いい出来だと思うんだけれど。あえて言うと、股の右側の部分の色がちょっと明るすぎた感はある。
このくらい寄ると縫ってあるのがわかる。
わーがっつり縫ってある。
でも、こんなにおしりに寄られる事もないからいいか。
ロングスカートの方はこんな感じ。
縫う糸の色が1、2トーン暗めでもよかったかなーとも思うけれど、そのうち色落ちすれば目立たなくなるでしょ、と 気にしない事にする。
履き心地・感想
早速、デニムパンツを履いてみた。以前ほど体にくったりと馴染んだ感じはしない。やっぱりゴリゴリ叩き縫いしたおしりの辺りは少し生地が硬めで、以前よりごわつく感じは否めない。
でもほら、アラフォーっていう年齢を考えればヒップラインがカバー出来ると思えばいいんじゃないかしら、なんて気楽に考えている。
一見、手直ししたとはわからない感じ。エスカレーターで後ろ煮立った人くらいには気づかれるかな、でも知らない人だし気にしなーい。
ものの値段に限らず、気に入ったものはなるべく長く使いたい。
そういう意味でも嬉しい。
本当は補修④までは2週間くらい前までに完了していた。
そこからの細々とした作業をする気にはなれなくて、ずっと作業が滞ったままだった。
でもやった今日で片付けられた。
心に引っかかっていたタスクが一つ片付いた事も、実はうれしい。
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